白くなってからが使い頃
炭の内部まで赤くなり、表面に白い灰がうっすらかぶった状態を「熾き(オキ)」といいます。熾きていない炭は、火力が弱く調理には適していません。火力が安定した「熾き」の状態になってから使用しましょう。
後から追加する炭も同じです。グリル内の火力が落ちてから新しい炭を投入しても、適温になるまで時間がかかります。あらかじめ熾した炭を追加しましょう。
炎ではなく、遠赤外線で焼く
燃焼中の炭からは、「遠赤外線」と「近赤外線」が放射されています。ガスなどの炎と違い、風の影響を受けないため、アウトドアでは最も有効な熱源です。波長の違う2種類の赤外線効果で、大きな食材でも表面から内部まで、同時に加熱することができます。
火力をコントロールする
バーベキューでは、食材に合った火加減で調理することが、重要なポイントです。
炭を重ねた「強火ゾーン」
肉の表面を焼き固めて肉汁を閉じ込める時に使います。
炭をフラット「中火ゾーン」
メインのクッキングゾーンとして使用します。
炭を置かない「弱火ゾーン」
焼きあがった食材をエスケープしておく時や、間接焼きの調理に使います。アルミ皿やアルミホイルを敷いて、落ちる油をキャッチすると、グリルが汚れず、後片付けが楽になります。
代表的な三つのファイヤーレイアウトをマスターしましょう。
ツーゾーン・ファイヤー
特徴
グリルの半分は炭がフラットな中火ゾーン、残り半分は炭を置かない弱火ゾーン。バーベキューのスタンダードレイアウトです。
炭の量
グリルの半分
おすすめレシピ一例
このレイアウトで、調理するのに適したレシピは…
焼肉 | 焼きそば | 焼き野菜 | 魚介類 | ホットドック |
スリーゾーン・スロープド・ファイヤー
特徴
炭を緩やかなスロープ上にレイアウトする事で、強火から弱火までのゾーンを段階的に作ります。
炭の量
グリル一面分
おすすめレシピ一例
このレイアウトで、調理するのに適したレシピは…
ビーフステーキ | チキンレッグ | ポークステーキ |
スプリット・スリーゾーン・ファイヤー
特徴
蓋付きグリルで大きめの食材を調理する時に用いられるレイアウトです。グリル両側に炭を配置。中央には炭を置かない弱火ゾーンをつくります。食材は弱火ゾーンに置き、じっくりと時間をかけて調理します。
炭の量
グリルの2/3
おすすめレシピ一例
このレイアウトで、調理するのに適したレシピは…
ローストビーフ | スペアリブ | バックリブ |
調理温度を測る
炭火の温度は時間の経過とともに下がります。安定している「熾き」の状態で使っていても絶えず温度を測りながら調理しましょう。
ハンドテストの方法
バーベキューでは、手のひらを使った「ハンドテスト」で調理温度を測ります。グリルの網から、約15cmのところに手をかざし、耐えられる時間で調理温度を確認します。
炭のコンディションを把握するためにも頻繁に行ってください。
参考秒数と温度
【強火ゾーン】
3秒 230℃~280℃ |
【中火ゾーン】
6秒 180℃~230℃ |
【弱火ゾーン】
10秒 120℃~180℃ |
炭火とグリルの後始末
余った炭をどうするのか?
一度熾きた炭は、簡単には消えません。水を掛けたり、浸したりすると、水蒸気で火傷をする危険性があります。
また、穴を掘って埋めても炭は土に戻る事はありません。動植物を焼いてしまう恐れもあります。環境保護の面からも、絶対にやめましょう。
安全に消して、再利用
熾きたままの炭を火消し壺の中に入れ蓋をし、酸素を遮断して消火します。
火消し壺で消した「消し炭」は火付きが良いので次回のバーベキューの際に火熾し器に入れ再利用します。火熾しの時間が更に短縮されます。
グリルは水で洗わない
熱いグリルに水を掛けてはいけません。水蒸気で火傷する可能性があり、グリルが歪む原因にもなります。
油受け皿にたまった油は、ペーパーに染み込ませ分別して、捨てましょう。
グリルが油で汚れている場合は、灰をかけ、ササラで擦るときれいに落ちます。
灰を掛けてササラで擦る | 油はペーパーに染み込ませる |
網と鉄板の後片付け
網や鉄板は熱いうちにワイヤーブラシでよく擦り、汚れとコゲを落とします。熱いうちに水を掛けると歪んでしまいます。
洗剤を使って洗った場合には植物系オイルを万遍なく塗り、錆びの防止をしてから、保管してください。
熱いうちにブラシでよく擦る | 植物系オイルで錆び防止 |