調理の実践


バーベキュー料理は、簡単で手際よい調理が要求されます。バーベキューを楽しむはずが、現地へ行って準備に追われては何をしに行ったのか?ということになってしまいます。アウトドアでは、即調理できるように準備して行くことを心がけましょう。
下ごしらえなどは、自宅で済ませておき、野菜などは洗ってカットし、再利用できるジッパー付き保存袋などに入れてゴミを減らし、環境にも配慮しましょう。
また、食材をトレイにラップされた状態でクーラーボックスに入れると、保冷効率が悪くなり、余計なスペースもとります。

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定番の焼肉・焼きそばだからこそ、基本を知っておこう

●焼肉バーベキュー

肉を網にのせて炙ったり、鉄板にのせて焼くだけの単純な肉の調理方法ですが、網で焼く場合は、焼くときに脂が滴り落ちるので、カリッと仕上がり、比較的さっぱりとした味になります。また、火で直接炙るので焦げ目がつきやすく、落ちた脂によって煙で燻されるので香ばしい風味となります。また薄い肉は、短時間で焼けてしまいますので、キープゾーンを作っておき、焼け焦げを防ぎましょう。
一方、鉄板焼きは脂が落ちないため、多少脂でしつこくなり、水分も残るため、カリッとは仕上がりません。また鉄板でもキープゾーンを作っておき、焼け焦げを防ぎましょう。鉄板の場合キープゾーンを作りづらいですが、アルミホイルにシワを入れて敷くことによって作れます。



味付けは、醤油をベースに酒、みりん、砂糖、ニンニク、ゴマなどをブレンドして作ったタレ味と、塩や胡椒で味付け、レモン等でサッパリと食べる塩味が一般的ですが、からし醤油や、サルサソース、トマトバジルソースなど、食べ方はお好みでどうぞ。

●焼きそば

美味しい焼きそばを焼くには、強い火力が必要です。鉄板を良く焼いた状態で、麺と具は別々に炒めます。
麺は、後でソースを吸わせるために、水分を飛ばすようによく炒めます。全面に広げて焦げ目がつく程度まで焼きあがったら、キープゾーンに除けておくか、皿に除けておきます。


   

具材は、野菜を炒めて除けておき、豚バラ肉を炒めます。
ここで、麺を戻して全て混ぜ合わせ、ソースを加え、水分を飛ばしながら炒めます。
仕上げは、青のりと鰹節粉、紅しょうがなどをトッピングして出来上がり。

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コツを覚えれば簡単にグレードアップ

●ビーフステーキ

ビーフステーキを豪快に焼くのもオススメです。一番シンプルなのは、塩こしょうで、炭火で網焼きにするのが美味しいのではないでしょうか?
まず、サーロインなどは、脂との間に筋がありますので、ナイフで切って焼いたときに反らないようにしましょう。
次に、塩こしょうをふりますが、網焼きの場合は脂と一緒に流れ落ちてしまいますので、少し多めに振りましょう。



焼くときは、炭火をスリーゾーン・スロープド・ファイヤーでセットし、まず強火で肉の表面を焼き固め、肉汁を閉じ込めます。このときに焼き目をつけるのも美味しく見せるウラ技です。また脂が燃えて炎が出たら、スス臭くなりますので、水鉄砲などで炭に水をかけて消火してください。少々の水では炭火の火力は落ちませんので安心して消してください。炭火の遠赤外線で焼くことを思い出してください。


そして、中まで火を通すため、中火ゾーンに移し、じっくり焼きます。肉の厚みが20mmを超える場合などは、グリルの蓋を閉めるか、アルミホイルをかぶせたりして火を通してください。スモークチップやチャンクスなどを使って燻し、スモークフレーバーをつけてあげると、更に風味の違う焼き上がりになります。

●豚スペアリブ

豚リブ肉を焼くには、蓋が必要になります。肉の中まで、じっくりと火を通すためと、スモークフレーバーをつけて風味を豊かに焼き上げるためです。
まず、豚リブ肉を漬け込みマリネします。マリネのレシピはいろいろありますが、焼き鳥のタレなどに数時間漬け込んでも簡単で美味しく焼けます。


炭火は、スプリット・スリーゾーン・ファイヤーでセットし、炭を置かないキープゾーンには、垂れ落ちた油を受けるアルミ皿などを置きます。そのまま焼いても美味しく焼けますが、スモークチップやチャンクスを使って、スモークフレーバーをつけて豊かな風味を味わってみてください。




グリル内温度は160度、60分程度で焼きあがります。
焼き上がりの確認は、食材用の温度計で、中心部が63℃を超えていることを確認してください。

この焼き方は、グリルをオーブンとして使いますので、オーブン料理は全てに応用できます。例えば、ローストビーフや、ローストチキン、パンやピザなども焼けますので、ワンランク上を目指して、チャレンジしてみてください。
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こんなものもバーベキューのレシピの一例です

●魚介系
魚は、やっぱり炭火の遠赤外線で焼いたら美味しいはずです。バーベキューって肉のイメージが強いですが、ぜひ加えたい一品です。生の魚が苦手という方は、一夜干しや、干物などでチャレンジしてみてください。

●野菜系
野菜が網の隅で焦げて、炭になっているのを、よく見かけます。野菜を焼くときはオイルなどを塗って、できるだけ水分が蒸発しないように焼くとジューシーに焼けます。また、野菜炒めのように細かく切らず、豪快に丸焼きにすると、野菜のもつ水分で蒸されたようになり、美味しく焼けます。
しいたけ焼き・キャベツの丸焼き・ピーマンの丸焼き・じゃがいも焼き・焼き枝豆・かぼちゃの丸焼き・焼きなす・トマトのチーズ焼きなどはもちろん、生野菜を、バーニャカウダや、チーズフォンデュにしても美味しく食べられます。

●フルーツ系
フルーツなんて焼いて美味しいの?と思う方は、試しに焼いてみてください。焼きリンゴをイメージしていただければ想像できるかと思いますが、バナナを焼いてクラッカーにのせ、シナモンの香りをつけてみたり、オレンジやパイナップルも、肉を食べた後には、サッパリといただけます。

●デザート系
炭火でせんべい生地を焼いて、焼きたてぬれ煎餅にしたり。マシュマロを串に刺して焼くと2倍くらいに膨らんで、子供達には大好評なデザートです。串にホットケーキの生地をつけながら焼く、バームクーヘンや、クレープ生地を焼くのも面白いかと思います。

●主食系
おにぎりに味噌をつけて焦がし味噌おにぎりにしたり、夏野菜のポンズ風味の焼きうどん、おもちを焼いてもOKです。夏だと、パン生地も常温で発酵しますので、パン焼きにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

●粉モノ系
鉄板を囲んで、お好み焼き、もんじゃ焼き、たこ焼きなどに、炭火グリルで焼いたものをトッピングして入れて、ハイブリッドバーベキューも楽しいかと思います。
蓋付きのグリルなら、ピザだって焼けますよ。

●スープ系
ダッチオーブンでスープを作りながら、周りの炭で肉や野菜を焼いて入れると、風味豊かなスープができます。クラムチャウダーやミネストローネも簡単で美味しくできます。

旬の食材や、その土地で採れた食材を使って、ちょっと一工夫するだけで、オリジナルレシピの出来上がりです。バーベキュー料理のレシピは無限にありますので、ぜひチャレンジしてみてください。
なお、バーベキューレシピ、クッキングメソッドは、各講習でお伝えしていきます。
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